ここでは、私が根付に関して調べている中で感じた、雑感を記載してみたいと思います。
根付に対する一般的な視点からではなく、ユニークな視点から記載しています。
あくまで私の私見と考えて頂ければ幸いです。

虎渓の虎根付ですが、自分の持っているものを実際に手に取って詳細に見て、
同時に他の虎渓の虎根付の特徴も調べたりしているうちに、 色々なことがわかってきました。
今回は記録の意味も兼ねて、書いてみました。
現時点で私が感じている虎渓の虎根付の特徴は以下のような感じです。
虎渓の虎の特徴に関して、奥野秀和氏の著作「田中岷江の研究」から多くの知見を頂いていることを感謝申し上げます。
髭の表現として、口の上に左右3本づつの髭が彫られている。
眉の上には、眉毛の表現として、左右3本づつ眉毛が彫られている。(私の根付も同様)
目の白眼は目尻まで真鍮が入れられ水滴型(私の根付は違う) (奥野秀和著:田中岷江の研究より)

右脇腹に3~4個の窪み(上下方向の窪みで、長さ2~3mmほど)がある。
浮いた肋骨の表現だろうか?(私の根付も同様)
口角はニヤけたように波打っており、左右に牙が1本づつ出ている。 (私の根付も同様)
右足下面に銘あり 虎渓の銘は年齢により楷書体→行書体→草書体と変化する (奥野秀和著:田中岷江の研究より)
私の根付は行書?生殖器の表現は「あり」と「なし」がある。(私の根付にはなし)
足裏の表現は、4本とも指は4つ、肉球の表現は荒々しく彫られたままである。
また指と肉球の染めは色が分けてある。足裏の指は楕円形で蚕の繭のようである。
尾の先は、フサ状になっている。(私の根付も同様)
背骨の表現らしきものがある。 耳は小さくて寝ている。(私の根付も同様)
虎渓の虎根付は当時から人気があったようで、 贋作も多く作られているようです。
真贋判定の参考になれば幸いです。 私の根付が本物であることが前提ですが(笑)。

以前に何かの本で、「良い根付は自立する」というような文言を見た記憶があります。
また根付を扱っているお店の主人からも、同じようなことを聞いたことがありました。
例えば私がもっている秀正の寿老人根付は左片足立ちの意匠で、その左足の足底がわずか数ミリ四方の
大きさにも関わらず、根付自身が自立します。(※Collectionページの写真を参照下さい)
これは、根付師自身がバランスにかなり注意を払いながら、作成した可能性が高いと思われます。
本来、根付は提げ物を帯に留めるためのものであり、根付自身が自立することはあまり意味をもたない
はずなのですが、自立する根付があるのは事実です。
上記のようなことがあって、ふと思ったのが、もしかすると逆立ちする根付もあるのではないだろうか?ということです。
さっそく自分の持っている根付の中で、逆立ちの姿勢で自立できる根付があるかどうか調べました。
すると、なんと逆立ちの姿勢で自立する根付を複数個、見つけることができました。
結論から言うと、全部で6つの根付が逆立ちできました。
完全に逆立ち可能なのは、鬼根付、猩々根付、唐子相撲根付の3点でした。
2つの玉獅子根付と玉に犬根付は、これを逆立ちと言っていいのかどうか不明ですが、
本来の置き位置とは逆に置くことができます。
たまたま逆立ちができるのではなく、根付師が明確な意図を持って製作したと感じるのですが、皆さんはどう感じますか?
そうでないと、特に唐子相撲根付、鬼根付、猩々根付が逆立ちの姿勢で自立することは考えにくいと思うのですが、、、。
これからは、根付を購入する際に、その根付が逆立ちするかどうか?といった点も考慮しながら選んでみたいと思いました。(笑)